K-WILLの画像評価装置シリーズが、ファイルの評価に対応しました。このインターフェースの拡充により、画像評価の適用範囲が大きく拡がりました。

ファイル対応

これまで、FR(Full Reference)型の画像評価装置は、SDIによるベースバンド信号を測定対象としていました。この度マーケットの更なるニーズにお応えし、測定対象をMXFフォーマット等のファイルに拡張しました。これにより、SDIの基準信号に対し、MXFファイルを評価信号としたFR評価、といった使用が可能となります。

                     既存:これまでVP4000で実現していた評価

自動同期

FR型評価では、基準画像と評価画像それぞれの全画素を比較して画質測定を行います。そのため、基準信号と評価信号の時間的な位相差を、画素単位で同期する必要があります。たとえSDIの基準信号に対し、MXFファイルを評価信号として選択する場合であっても、自動的に同期し、測定を行います。なお、手動で遅延量を設定することも可能です。

システム概要

このシステムは、PCワークステーション上で動作する画像評価システムです。SDI信号は実装されたキャプチャーカードから入力されます。またファイルは、内蔵したDeMuxおよびデコーダにより画素情報が取り出され、評価されます。

対応フォーマット

InputPacking formatVideo Codec format
FileMP4
TS
PS
MXF
<2K>
MPEG1/2/4
H.264 H.265 MJPG
XAVC (XAVCHDIntra50/ 100/200/300)
DNxHD (36/120/145/185/185x/220/220x)
ProRes 422 (Proxy/LT/Standard/HQ)
DV

<4K>
DNxHR (LB/SQ/HQ/HQX)
ProRes 422 (Proxy/LT/Standard/HQ)
XAVC (XAVC4KIntra100/300/480)
H.264 H.265

<8K>
DNxHR (LB/SQ/HQ/HQX)
ProRes 422 (Proxy/LT/Standard/HQ)
H.265
対応フォーマット一覧

評価項目とエラー判定

評価項目説明
DSCQSDouble Stimulus Continuous Quality Scale(二重刺激連続品質尺度)
国際標準方式ITU J.144を利用し、主観的品質(DSCQS)をフレーム単位で測定します。
PSNR[Y/Pb/Pr]Peak Signal to Noise Ratio(ピーク信号値対雑音電力比)
ピーク信号値とノイズの電力比率を示します(単位:dB)。
一般に、PSNRが大きいと画像の劣化が少ないことを表します。輝度、色差の別に評価します。
SSIMStructural SIMilarity
画像構造の類似度が人間の画質劣化の知覚に寄与するとの仮説に基づいて定義されている評価尺度。
0~1の値を取り、1が劣化していないことを表します。
ASNR[ch1..ch8]音声信号について、Signal to Noise Ratio(信号値対雑音電力比)を求めます。
最大8チャンネルを対象とします。(単位:dB)
評価項目一覧
エラー判定項目説明
Pixel error画素単位で画素間の差分値を計算し、設定した閾値を超えた場合、Pixel error(画素エラー)として検出します。
微細なノイズやブロックノイズを検出することができます。
DSCQS該当フレームのDSCQS値が設定した閾値を上回る場合、DSCQSエラーとして検出します。
時間的に短い劣化を捉えることができます。
PSNR[Y/Pb/Pr]該当フレームのPSNR値が設定した閾値を下回る場合、PSNRエラーとして検出します。
時間的に短い劣化を輝度、色差の別に捉えることができます。
ASNR[ch1..ch8]該当フレームかつ該当音声チャンネルのASNR値が設定した閾値を下回る場合、ASNRエラーとして検出します。
時間的に短い劣化を音声チャンネル別に捉えることができます。
エラー判定項目一覧

使用例

  • ファイル to ファイル型トランスコーダの画像評価
  • SDI to ファイル型トランスコーダの画像評価
  • エンコーダおよびデコーダの画像評価(SDI to ファイル / ファイル to SDI / SDI to SDI等)
  • 画素エラーチェック(ブロックノイズ検出)

製品化について

当製品は、2022年6月リリースを目途に製品化を進めております。製品化が完了した時点で、弊社Webサイト内「製品情報」ページに掲載する予定です。