アーカイビングにおけるQC(Quality Control) - VTR素材のファイル化に必要なQCのご提案 -

限られたメニューによるQC

テープ収録コンテンツをアーカイブ向けにファイル化する場合、不十分なQC(Quality Control)により、ファイル化後のコンテンツ資産価値が毀損する可能性があります。

VTR素材のファイル化に必要なQC

抜けのないQCにより、コンテンツの同一性を担保します。

ITU国際標準方式をベースに、抜けのないQCメニュー
  ・J.144客観評価
  ・輝度PSNR, 色差PSNR
  ・映像・音声タイミング(リップシンク)チェック
  ・画素単位のブロックエラー検出
  ・2msec単位の音声信号比較チェック
  ・フィールド単位の黒味/カクリ/破綻チェック
  ・一重刺激評価 等

アーカイブ向け映像・音声品質検査装置QuMax

必要となる品質検査メニューおよび機能を、QuMax 1機種でカバー

■国内放送局1,000ポイント、海外放送局6,00ポイントで稼働中の映像・音声品質監視メニューを標準装備
■エンコーダ評価用として、国内、北米、韓国で累計150台以上の販売実績を持つリアルタイム画像評価装置VP21H
   (ITU-T J.144 KDDI方式、2000年エミー賞受賞)を二重刺激精密検査メニューとして実装が可能
■ブロックエラー、ラインノイズ、メダカノイズなどのテープ再生エラーの検知を目的とした、一重刺激精密検査
   メニューを実装可能

用語の解説

輝度PSNR, 色差PSNR
エンコーダ/デコーダ等の不可逆処理で生じる「歪み」の大小を直接測る、最も基本的な測定方法です。 
J.144客観評価と並行して、輝度(Y)及び色差(Pb, Pr)のコンポーネントごとにPSNR(dB)を測定します。各コンポーネントの信号品質として最低限のPSNR(おおよそ28 ~ 30 dB)が確保されていることを確認することが重要です。

リップシンク Lip sync
符合化処理において、映像と音声の処理負荷の違いや、伝送遅延の違いにより、映像と音声の時間的位相が保持されず、タイミングずれが生じる場合があります。往々にして、処理負荷の軽い音声の方が映像より早く再生されることがあり、この場合、視聴者は強い違和感を感じます。K-WILL製品では、 2msec精度で映像と音声の時間的位相(リップシンク)を計測し、違和感のあるエラーを排除します。

一重刺激/二重刺激画素単位のエラー検出
符号化時のエラーを検出するためには、符号化プロセス前後の信号に対して、全画素を直接比較(Full Reference)し、画素エラーや符号化歪の定量化を行う手法が有効です。
一方、VTR再生時のエラーを検知するには、VTRのエラーコードを用いることが有効ですが、すり抜けが発生することも事実です。また、アナログVTRのように、エラーコードを出力する仕組みを持たない機器の場合、映像から直接、エラーを検出する必要があります。K-WILLの開発した新型アルゴリズム(No Reference)は、画素単位の特別なフィルタにより、ブロックエラー、線引きノイズ、カクリ、映像瞬断を検知します。また、音声の瞬断も検知します。

検知限
エンコード処理による画質劣化が、主観評価法によるDSCQS(二重刺激連続品質尺度)で0~12%の範囲であれば、 検知限以下として安全であるとされています(ユーザ要求条件 ITU-R BT.1121-1による )。K-WILLでは、このDSCQSをリアルタイムでフィールド単位に測定し、画質劣化が検知限以下であるか否かについて検査します。